食の安全を考える 5
前回述べたようなことは、ECへの接近をねらうオーストリアとしては当然のことといっていいでしょう。
その点でかなり微妙なのは北欧案であり、これはEC案とアメリカ案の中間で、いくぶんEC寄りに位置するとみられます。
つまり、北欧案は交渉の目標が支持の漸進的削減にあること、ガット第11条の規定は基本的に維持さるべきこと、支持の削減については柔軟性を認めるべきことなどの諸点でEC案と同じ基調に立ちながらも、肝心の輸入アクセス問題について非関税措置の関税化と可変課徴金との二つの方法を「選択肢」として並記しています。
その点ではアメリカとEC双方の顔を立てた格好となっています。
ただし、北欧案でAMSによる保護の削減交渉は「最も貿易歪曲的な措置」に限るとしている点はやや日本案に似ています。
日本案に比較的近いのは韓国案とスイス案とであり、とくに韓国案は多くの点で日本と共通する主張を展開しています。
たとえば、基礎的食料については一定の国内自給が必要なこと、そのためガット・ルールにミニマム・アクセスないし最低限の自給率の考えを導入すべきこと、第11条1項は基本的には維持すべきこと、AMSの交渉対象から非貿易的関心事項およびガット上の例外措置を除外すべきことなどです。
日本との違いをあげるとすれば、韓国案はこれを「発展途上国の立場」から強調していることにあります。