食の安全を考える 4
アメリカ案にもっとも近いのは、当然のことながらケアンズ・グループ案です。
非関税障壁の関税化と関税率の段階的引下げ、輸出補助金の段階的撤廃、国内農業政策の三類型への区分とその漸次的な削減など、アメリカ案の骨格がほとんどそのまま受け継がれています。
それはアメリカ案に似ているというよりは、むしろアメリカ案に倣ったものでしょう。
強いて差異をあげるとすれば、アメリカ案にみられた第11条2項(生産制限農産物の輸入制限)の廃止がここでは明示されていないぐらいのものです。
なお、ケアンズ・グループ案では食料の安全保障論にも言及し、食料の安全保障は自給ではなく、備蓄と輸入先の多角化で実施すべきだとして、暗に日本に対して反論を加えています。
これに対してEC案にもっとも近いのはオーストリア案です。
今回の交渉の目標は支持の「撤廃」ではなく漸進的「削減」にあること、個別農業政策は各国の主権に属しガットの枠外にあること、可変課徴金は維持さるべきこと・・・
さらに、環境・地域問題に関連した施策は削減の枠外であることなど、EC案の骨子がほぼそのまま採り入れられています。