古代の予言書と占い
『後漢書』に、王葬につかえた李通が予言のことをいうとあって、その予言書を『図識』と称し・・・
その後に出た『万年図説』とか、『鉄冠図』とか、『劉伯温餅歌』とかいう通俗予言書の内容も、その原物を読めばわかるように、その辞句の表の意は明らかでも、その調する裏の意味は全くチンプンカンプンにして明確を期し難いのは、予言の性質上やむをえないところですが・・・
それにしても、ともかく天下国家の大問題を予言している点では大きな特色があります。
このような種類の、歴史の回転を示すほどに重大な大予言は、とかく荒誕・無稽のバッタリのように受けとられ易いものですが、しかし頭からまるっきり的中しないときめてしまうのも、軽率であると私は思います。
それにしても、おかしいではありませんかーたいていの人は、戦争とか、ファシズムとか、共産主義とか、民間の行き過ぎた自由から来る暴力とか、こういった重大な問題に対しは案外に関心が薄く・・・
どちらかというと自分の国など亡んでもよいから(と、さすがに口に出しては言わなくても)、せめて何とか自分だけは幸福でありたいというエゴイズムに徹しています。
したがって彼らの日常の関心は、出産・恋愛・死・健康・富、天候の六つに集約されていると言ってよろしいでしょう。