左官工事の古代的性格
白璽上塗は、古代の日本にあっては非常に贅沢な工事でした。
そのため、いかに官営の造寺事業のようなものであっても、すべての建築物に施工することは困難で、いきおい壁画下地に集中することになったのでしょう。
土工が上塗に関与したという記録が少ないのは、このような事情によるものと思われます。
奈良時代までに一応完成していた左官工事を、いま一度要約すれば次のとおりです。
まずは材料について・・・。
壁下地は、小割りにした木材(榑)を格子状に組み、藁縄で絡めて木舞を作っていました。
下塗(荒壁)と中塗の材料は普通の山土で、これにスサとして稲藁が加えられました。
下塗土と中塗土の違いは粒度の差だけで、いうまでもなく中塗の方に細かく節った土が用いられ、また藁スサも中塗用の方が短く切断されています。
上塗は白一色に限られ、その主材料は白土または消石灰で、これに補助材として莇とともに糊料が加えられます。
これはまだ外壁リフォーム技術などがなかった頃の話です。
材料としてはそんなに変わっていないのですね。