万葉の旅
大化改新の詔にスタートし、壬申の乱を経て軌道に乗った律令体制の施行によって、交通網は著しく発展、整備されました。
律令体制とは、換言すれば中央集権制の意です。
それ以前の氏族制社会は、いわば連邦国家であって、地方々々がそれぞれ独自の原則に立って自治を行って来たのですが、それを廃して、全国を統一的な原則によって統治しようとしました。
これが律令体制です。
・・・例えば、同一条件のもとで起った同}の犯罪には、それがどこで行われようと、同一の罰則が課せられることとなったわけです。
現在の私たちから考えると、当然のことのように思われるけれども、大変な改革でした。
米国では州によって、同じ犯罪でもその罰則は異ります。
同じ国で、異った原則に立ってそれぞれの州が自治権を行使している現状を思い起せば、氏族制社会の在りようが理解できるでしょう。
それを統一しようというのであるから、ことは簡単ではありません。
九州で起った犯罪と、東国で起った犯罪とを、同一の犯例によって処罰する・・・。
この原則を公平に実施する唯一の方法は、情報を中央にいったん吸い上げ、組織的に各地方に流すことです。
裁判を例にとりましたが、経済を支える徴税方法や、直接一般庶民の日常生活に関係のあるさまざまな行政権の行使の仕方においても、むろんこのことは言えるわけです。